障害者自立支援法の現状と課題を聴講して

講師 佐々木勝一氏 (京都光華女子大学人間科学部社会福祉学科准教授)

身体、精神、知的障害関連が仕事の範疇に入ってきました。

主に介護保険制度を中心とした高齢者への関わりが多かったので、今回は改めて障害者自立支援法をはじめ各種の福祉法を再学習する機会となっています。

障害者自立支援法を活用しながら業務遂行を検討していた矢先に、研修会の開催を知り参加させて頂きました。

佐々木先生は長い現場経験を活かし、障害関連の福祉施設について研究されています。
大学の教鞭を取られている今でも、現場を見据えながらの特徴ある研究をされているんだと感じました。

様々な社会的問題を鑑みた理屈論と実際の現場論の両方を語っていただけた実のある研修会でした。

内容は、政治的、歴史的背景と各種の福祉法の成り立ち、障害者自立支援法の導入から今まで、事業所の現状と課題、自己負担の事例検討などです。

障害者の多くは、親が面倒をみている現状があります。
そこで問題となってくるのは、
①障害者年金を生活費として頼っているご家族の場合、「利用者の定率負担」が家計を圧迫しかねないので、受けていたサービスを中止してしまうケースなどが出てくるという事です。
→これについては7月1日より月額負担限度額の見直しが適用となり緩和されています

②親亡き後の本人の在宅生活を維持する事が現実問題として難しいという点です。
この部分を補う役割を確立しないかぎり施設数を軽減する事は出来ないだろうと言われています。

先生の亡くなられた20年来の親友のお話を聞かせて頂きました。
脳性麻痺の彼との思い出は月に数回駅前の安居酒屋でビールを飲みながら語り合っていた楽しい時間があったそうです。
この障害者自立支援法が導入される時、その彼が生活費を計算しながらもう一緒に飲めなくなるなと言われたそうです。
お互い対等に付き合いたい友としてなんとも言えない気持ちになったそうです。

私にとっては、法律に翻弄されるばかりでなく”人”を見る事の大切さを感じた研修会でした。
その人らしく生きる手段の一つに、居酒屋の片隅があったのかもしれません。

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