大阪・関西万博で「対話者」としての活動を振り返って

シグネチャーパビリオン「Dialogue Theater -いのちのあかし-」。
河瀨直美監督がプロデュースするこの企画は、「対話」を通じて、世界の至るところにある“分断”を明らかにし、その解決を試みる実験場でした。

「対話」をあらゆる角度から捉え、介護の現場をより良くしたいと考えている私にとって、まさに心に響く活動でした。
オーディションを経て、ワークショップに参加し、本番で育成対話者として登壇する貴重な経験をさせて頂きました。

その日のテーマをどう捉え、どのように対話を温めていくかは、対話者一人ひとりに委ねられています。
私は仕事柄、人の生死に立ち会い、苦悩や憤りに向き合う日々を送っています。人が生きる上での本質的な問いに出会い、自分の心の奥に気づく瞬間——そこに、新たな景色”幸”が広がる可能性を感じました。

人は分かり合えないからこそ、分かり合おうとする。
それを諦めないからこそ、真意の接点が見えてくる。
生きていることの尊さを実感できた時、争いの愚かさに気づく。

論文でも言及しましたが、改めて、医療や介護の現場には「対話」が中心にあるべきだと痛感しました。
この経験を仕事に活かし介護の現場をより良くしていくことこそが、万博活動に参加させて頂いた恩返しになると思っています。
最後に、パビリオン関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

写真は、万博最終日、卒業式と打ち上げシーンです。

2021年の看護大学キャリア教育

本来なら6月ごろに実施予定の1回生、3回生のキャリア教育がやっと10月に実施することができました。

今年の3回生は、2年前に1回生のキャリア教育でも携わらせて頂いた経緯がございます。成長された姿にうれしく感じております。

1回生はというと、入学当初からハイブリッド授業でここまでこられており、リアルな授業は同期と会う大切な時間です。

1回生にはコミュニケーションとはどういうものかを体感いただき、看護師としての最上級のスキルとしての認識をしていただきました。

3回生には後1年半の中で、自分のキャリアの棚卸を行った頂きながら、自分とは?何がしたい?どうすればいい?を今、しっかりと迷い考える時期であることをお伝えしました。来年はいよいよ就職活動に向けての具体的な内容になってきますのでね。

ソーシャル・コミュニケーションリーダー養成講座修了

ソーシャル!コミュニケーション!リーダー!

関西大学梅田キャンパスが開催した養成講座を修了いたしました。

職場や地域など、あらゆるコミュニティにおいて文化や価値観、技能が多様化・高度化しており、いま、様々なフィールドで横断的に活躍し、“集合知”を生み出すことができる「コミュニケーション」の手法を学ぶことができるとあって参加させていただきました。

ファシリテーターの視点として、学びのプロセスやメカニズム、身体感覚、グラフィックファシリなどを学びつつ、並行してチームでワークショップを共同創作していきます。

ファシリテーターなりワークショップは、仕事において提供する側にいても、このように学ぶ側の経験も続けていくべきだと実感します。
毎回新鮮な気づきが生まれます。

実践と研究の両輪

実践研究の始動

日本生命財団の実践的課題研究助成枠で採択され活動がスタートしました。

「高齢者の生きがいを増進する多世代演劇ワークショップの実践研究」のメンバーとして2年間取り組ませて頂きます。

介護現場の関わりを通して感じる事は、多くの事業所が「地域の人から自施設がどのように映っているのかを意識できていないのではないか」ということです。

地域住民にとっては、「介護が必要になったらサービスを提供してくれるところ」「介護の問題で困ったら相談にのってくれるところ」であり、言いかえるとその必要性がない世代にとっては、交流をもつ必要のない存在として認識されているに留まっているのではないでしょうか。

一方介護事業所は、地域包括ケアシステムという「呼び名」だけが広がっていく中、事業所としてどのようにアクションを起こしていけば良いのか分からないといったところでしょう。

一つ言えるのは、介護施設だからと言って、介護の必要な層だけが出入りしている状況では、決して地域に開かれた施設とは言えないということです。
地域には、若い世代の共働き夫婦、子育て世代、シングルマザーなど、一見介護とは縁のない方々も生活しており、目指すべきコミュニティーはそれぞれが支え合える関係性を築くことです。
そのために、自施設をどのように活かしていくのかをデザインしていく必要があり、すべての世代の力を借りたいところです。

今回は「多世代」「演劇」「ワークショップ」に秘めた可能性がおりなすコミュニティー形成が、関係性の構築の大きなヒントになる事を期待して、実践研究に取り組ませて頂きます。

対話型組織開発

対話型組織開発

週末14日(土)15日(日)に開催された南山大学人間関係研究センター主催の ジャルヴァース・R・ブッシュ氏による対話型組織開発ワークショップに参加させて頂きました。

受講前の私の理解は、「診断型OD」で進めつつ、状況によっては「対話型OD」を用いることもある、ケースによっては、「対話型OD」の比重が高くなる?!そんな捉え方をしていましたが、対話型ODを従来の考え方で用いる限り、従来の結果しか得られない、そのため、時に対話型ODが機能する時もあるが、そうでない場合があるとのことでした。
そしてブッシュ氏による、機能する対話型ODの理論と実践の学びがスタートしました。

組織問題は元をたどると、人それぞれが思い込み真実だと思っているストーリー(ナラティブ)がどれも真実ではないにも関わらず、お互いの経験(実のところ)を、分かりあう「学習の会話」がないまま、絡まり押し合いぶつかり合っている状態であるということです。この「学習の会話」が対話型(Dialogic)にあたり、ナラティブ、自己組織化、生成的質問、複雑性、創造的破壊、コンテナ、対極性、パラドックスなど、沢山の理論や要素を用いて、計画的に転換的変革のプロセスを導くのだということを学びました。

本と資料を読み返し咀嚼する事に専念しつつ、機会をみて今回の学びを実践してみたいなと思っています。

膨大な英訳資料、快適な研修環境を与えて下さった、南山大学の中村和彦先生はじめスタッフの皆様にお礼申し上げます。まさに探究できる学びの機会となりました。

著書:対話型組織開発 その理論的系譜と実践
   ジャルヴァース・R・ブッシュ
     ロバート・J・マーシャク
           中村和彦 訳

南山大学 人間関係講座(コミュニケーション)を受講

自己理解

今回は、プロセスの深い部分の気づいていなかった自分のコミュニケーション習慣を体感させて頂きました。

「聴く」ことにフォーカスした時間では、相手の話す内容を理解するだけでなく、相手の中には、伝えたい細かいニュアンスや拘りが存在しているのだという事を実感しました。そして話を聴く側は、自分がすでに持っている前提条件、いわゆる自分のフィルターを通して無意識に聴いてしまいがちになります。結果、話し手が微妙に伝えたかった内容がスルーされたり、色を加わえてしまう現象が起こっているのだと思います。

日常の対話でも、余裕がある時など、あえてこの視点を意識してみようと思います。

南山大学 人間関係講座(グループ)を受講

コンテントとプロセス

2日間の体験学習を通して、自らその場に身を置き体感することで、他者の気持ちやお互いの関係性に目を向けていきます。

課題に取り組み、一生懸命になればなるほど、お互いの関係性に目が向けきれない自分を実感します。

プロセスを丁寧にみることで、改めてグループのコンセンサスと意思決定のあり方を学ばせて頂きました。

さっそく、2人で学びの本質を言語化しつつ、実践と照らし合わせています。

認定社会福祉士の登録

次なるステップへ

保健師時代に福祉業界に興味を持ち、通信大学にて社会福祉の学びを深めていた頃を思い出します。

医療を学ぶ中で当然福祉課題も出てくるため理解しているつもりでしたが、実際は見えていない事ばかりでした。

そのあたりを客観的に捉える事が出来たのは、社会福祉士となり学習や活動を続けてきたからだと実感しています。

またタイムリーにも、2000年の介護保険前に福祉業界へ転身し、今に至っているので時代をそのまま肌感覚で受け取ってきた私です。

社会福祉士の活動を通して、さらに理論的な思考で医療と福祉の融合に携わっていけたらと思います。

認定社会福祉士

認定審査合格証書

2017年度の認定社会福祉士認定審査の合格通知が届いていました。

高齢、障害、児童・家庭、医療、地域社会・多文化とさまざまな分野がありますが、私は高齢で取得させて頂きました。

地域包括ケアの定着一つとっても、多職種間の通訳が必要になってきます。

あらためて社会福祉士の活動範囲が広がる事を実感します。

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ACOP鑑賞会2017

みる・考える・話す・聴く

ACOP鑑賞会2017に参加させて頂きました。
京都造形芸術大学アートプロデュース学科の皆様がナビゲーターとなり、鑑賞者同士のコミュニケーションを通して、美術作品を読み解くという、とても満足感の高い時間でした。

作品を「どうみなければいけない」という枠など無く、私の「第一印象は?」「何が気になった?」「どう感じた?」などなど、常に答えは自分の中にあります。他の鑑賞者の意見を聴いていると、「なるほど・・そんな風に見えるんだ」「本当だ!」などなど。

自分が心地よいと思うタイミングで感想を述べてみると、周りの方の大きなうなずきをいただけて、とてもうれしい気持ちになるのです。自分の中の気づきがどんどん広がるのです。ナビゲーターが上手に声をかけて下さり、他の鑑賞者の感想と合いまって、ついつい話をしたくなるそんな空間が出来上がります。これぞコミュニケーション体験です。

あらためて、作品そのものが「アート」なのではなく、作品を通して鑑賞者の間に描かれるコミュニケーションこそが「アート」なのだと実感しました。
学生の皆様本当にありがとうございました。