ギ~と扉を開けると「いらっしゃい~」と同時に、昔懐かしい雰囲気そのままのレトロなBarへタイムスリップ。
51年目を迎えるお店にいる86才の現役ママに会いたくて訪れること3度目です。
「ママさんの顔を見にきたの、前回はお休みで残念やったわ」との声かけに、
「上手いいなさんな、こんな年寄り見たかって楽しみないやろに」と照れ笑いで切り返し。
何がすごいって、
●カウンターの向こうで立ちっぱなし!
「えっ 背の高い椅子に腰かけてはるんかと思ったわ」というと、「腰かけて仕事できますかいな、ずっと立ってるよ、何も苦にならんわ」と一笑。
●お客さんとの会話は現役!
「本当にモテナイ人はそんなん言わんよ、あんまり遊びすぎたら大切な人無くすよ」に50代の男性も納得の表情。
「うちは51年目に入るわ、そちらさんも後20年はいけるね」との掛け声に、Bar経営30年目を迎える同業者客が「ここ来たらまだまだひよっ子やな~」と我を見つめ直す。
●勘定計算はすべて暗算!
「お客さんおあいそです」との声かけに伝票に目を向けすかさず計算。「これだけは間違えへんのよ」と自信満々。
日々、老人ホームやデイサービスで介護予防、認知症予防の視点をベースにコンサルティングをする私にとって、その答えの集大成がここにあるのです。
誰かに必要とされる存在感、やらなきゃいけない役割、考えなければならない適度な作業。
これらすべてが自然と生活の中に織り込まれている結果です。
「周りが心配して走ったらあかんよ~って止めるんよ、そんなん急に止まれますかいな、その方が危ないわ」とのなにげないママとの会話に自分の仕事を振り返る私がいます。
良かれと思っての配慮が要介護へと導いていないか??
「新聞の字なんて大きいから何ぼでも見えるよ」と目の前で読んで下さり「視力検査も下まで見えるんよ」とママ。
「えっ、今まで老眼とかで苦労した事ないんですか?」と聞くと、「眼鏡無いからって不便感じた事もないわ」とニッコリ。
「ほんまかいな~私もママ目指すわ」と思わず本音が出た私でした。
目指せいつまでも現役!