テーマ2 パパの介護(ステージ2)

【第2回】子連れ出勤ならぬ、親連れ出勤

貧血のための受診

本日は父の受診を設定しました。
通常は、3ヶ月ごとに本人と一緒に受診し、途中はお薬をもらうだけの月もあります。
今月はお薬だけの予定でしたが、父親の貧血が気になったからです。

「最近フラフラする」
「歩こうとしても腕に力が入らない」
「下瞼は真っ白」

症状と血液検査の結果(ヘモグロビンが低い)で、貧血治療の内服薬が処方されました。
先生のアドバイス
「飲むとキワキワするかもしれません、気持ち悪いようなら無理せずに見送ってください」
(その後、これと言った症状はなく飲み続けています)

とにもかくにも、先生に感謝です。
何かが起こることは仕方がないので、その時の対応に後悔がないようにしていきたいものです。

親連れ出勤

さて、病院を出たのが15時過ぎ。
今から囲碁に行くには、時間が十分ではありません(1時間以上かかる)。
一方、病院は私の事務所(大阪本町)の近くです。
要するに、病院は実家から車で1時間ほどの距離にあります。
父の循環器系疾患を幾度も救ってくださり、父が心から信頼する先生や病院とあって通い続けています。

「パパ、もう囲碁はいけないね」

「そうやな、仕方ないな」

「じゃあ、私の事務所で寝ててよ」
「私、ちょっと仕事したいのね」

私の事務所には、長ソファーがあります。
父が、身体を横にして休むのに丁度良いなと思いました。
タオルケットをかけてしばしお休みです。
私の足マッサージ機も心地よかったようで、すやすやと眠ってしまいました。
その間結構仕事ができました。

寝顔を見て、思わず笑えました。
コンサル先では、夏休みを迎えた子どもの居場所をコーディネートすることがあります。
職場に子どもを連れ仕事ができる環境設定などは、働きやすい職場づくりの一環です。

「ふと、これって親連れ出勤?!」
人それぞれの工夫があるものだと実感しました。

久しぶりのビジネス街

19時過ぎ、仕事も一段落です。
「さて、パパこの辺で晩御飯食べて帰ろうかね」

私の事務所は、大阪のビジネス街のど真ん中に位置します。
散歩がてら、車椅子でグルグルと歩いてまわりました。

条件は一つ、車椅子で入れるところです。
色々なお店がありますが、段差や狭さなどが目につきます。
「なるのどな〜」
ユーザー目線という、新たな視点が加わります。

店へ入り、車椅子から椅子へ移りホッと一息。
生ビールが美味しいと満面な笑顔を浮かべる父。
時々家族で外食しますが、久しぶりのビジネス街での外食は、父にとっても懐かしい時間に思えたのでしょう、待った甲斐があったようです。

周りのテーブルは、スーツを着たサラリーマンの方々ばかり。
私たち親子とのコントラストも面白い点です。

帰りの車の中、行き交う通行人を見て父が一言。
「ものすごい人やな、経済が戻ってきたのを実感するわ」

私には当たり前の風景でも、父には沢山の気づきがあったようです。
いわゆる私のビジネスの思考やアイデアを補ってくれる父がいます。