テーマ2 パパの介護(ステージ2)

【第3回】あれは最高の夢だったな

立って走ってる

ふと、父に聞いてみました。
「パパ、最近は夢を見るの?ほら、言ってたでしょう、急に立って歩き出す夢の話」

「ん?・・・あ〜あれな、いや最近は見なくなったな」

父は、手術の影響で下半身不髄となり要介護4の生活が始まって早3年が経過します。
当初は、頻回に目が醒めるたら急に歩けるようなっていた、そんな夢を話してくれていました。
「不思議なんや、ホンマに歩けるようになったんかと思った」

意識と現実にギャップがあり、目が醒めると現実は現実です。
「どんな気持ち?」

「そうやな、また歩けたんかと思って嬉しかったわ」

「そっか・・・」

おれから、2年ほどが経過し、そおいえばと思い聞いてみました。

「あの夢は良かったな〜、実に良い夢だった」
夢に対し、落ち込む自分ではなく、良かったという感覚の方が残っているようです。
現実の自分を認めつつも、意識の中の自分の体感に喜びを見出す父がいます。