テーマ2 パパの介護

【第19回 介護サービス以上のサービス(最終回)】

介護サービス以上のサービス

今までお世話になった、介護サービス事業所へご挨拶に行ってきました。
私どもが選択した在宅介護という道を、どれだけ助けてくださったことか。
言葉ではとてもいい表せません。

当初の在宅介護は、父が毎日囲碁に通えるように、あらゆるサービスを組み合わせました。
月・水・金(訪問看護)
火・木(デイサービス)
木(訪問介護)

近所の方々の支援(タクシーへ乗せる)
家族の送迎

そして2か月前に、母の病気に合わせて、看護多機能に切り替えました。
これは、母の環境変化に左右されずに、父の好きな囲碁通いを毎日続けるためです。

看護多機能の皆様が言ってくださいました。
井上さんのサポートは楽しかったと。
利用者のやりたいことを実現できることに、ワクワクを感じていましたと。
お世話をする、預かるという目的を超えて、本来あるべき姿を一緒に叶えさせていただきましたと。
とてもやりがいを感じていましたと。

何とも、もったいないお言葉です。
私たち家族が、やりたいことを伝えることで、介護に携わる方々のモチベーションになる。
彼らがいるから、私たち家族は頑張れる。
遠慮することなく、頼れる存在でいてくださったことに感謝しかありません。

介護スタッフのお一人が、自宅までお参りに来てくださいました。
父が一番喜んでいると思います。

訪問看護からもお電話を頂きました。
疾患が疾患だけに、多大なサポートを下さいました。
在宅では医療資源が限られているため、工夫、工夫の連続だったこを思い出します。
社内の連携が取れ、1度たりと不安を感じたことがありませんでした。
スタッフの皆様が温かく、とても連携がとれているのです。
それぞれが、働きやすい職場、やりがいを感じるとおっしゃっていました。
私の仕事柄、このような訪問看護を目指していきたい、そう思わせて下さる事業所に出会えたことに感謝です。

そしてこの全てのサービスを、実現に導いてくれたのは何と言ってもケアマネジャーです。
さりげなく調整し、温かく見守り、私たちが迷った時もそっと背中を押してくれたこと、これこそが今回の結果の全てです。

介護サービスを通じて、その向こうに何かがある。
家族はその向こうにある唯一無二の関わりを一生忘れることはありません。
本当にありがとうございました。

パパの介護(ステージ2)全第19回のシリーズを終わります。
医療者として、生きること、生き切る事、死生観など、少しでも伝わるものがあれば幸いです。