テーマ2 パパの介護
【第15回 地域の皆様との「絆」】
〇〇先生、看護師の皆様ありがとう
お通夜、葬儀までの2泊3日、自宅に帰ってきました。
「おかえりなさい」
いつものように、いつものところで、寝ている父。
本当に寝ていると錯覚するほど、いつもの父の表情です。
「こんなにも穏やかな表情をされている、井上さんらしい」
病院での最後に、主治医の〇〇先生がおっしゃってくださっていました。
時間帯が遅く、死亡診断は当直の先生がされました。
それでも、〇〇先生は、病院に再来院してくださり、父と私達を最後まで見送ってくださったのです。
父が絶大なる信頼を置いていた先生です。
看護師の方々もしかり、病気だけでなく、家族の心のケアに至るまで、感謝の気持ちで一杯です。
「〇〇病院が良い」父の口癖でした。
通院に1時間かけてでも、この病院から頂く安心は何にも代えがたいものでした。
ご近所の皆様へ
今思うと、母が父を連れて帰りたいと言ってくれたことに感謝です。
それは私の想像をはるかに超えた出来事でした。
母が自治会の方へ回覧をお願いしました。
↓
令和6年5月29日、満87歳にて逝去いたしました。
長い間、地域の皆様に本当にお世話になりました。
故人も3年前より不自由な体になり、散歩の折にも皆様からのやさしく、心温まる声をかけていただいたこと、車でのご迷惑も配慮していただいたこと、常々話しておりました。
本当に感謝しかありません。
今朝から自宅に安置しておりますので、ご都合がつけば、自宅を開放しておりますので、見てやってください。
母だけが分かる、父の気持ち、近所の方々の気持ちの架け橋です。
引退しましたが、父は30年間自治会長でした。
ご近所の皆様との「絆」
ピンポンとインターフォンが鳴ります。
「会長に会いに来たよ」
近隣の方々が、3人、4人と訪れてくださいました。
気軽に次々と訪問してくださいます。
「会長ありがとうね」
「会長目覚めそうね」
「あっちのことも教えてね」
「顔に触ってもいい?、いいね」
「いい顔色しているね」
まさに、次々です。
多い人は3度、4度、2日間、3日間に渡り「また来たよ」と言ってくれます。
2日目、私が母と交代しようと戻ると母はいません。
近所のおばしゃん達が3人父の前で談笑です。
「おかえり」
「お母さん出かけてるよ」
総勢60人以上の方が立ち寄ってくさり、出棺時も20人以上の方が見送ってくださいました。
まさに、地域の絆です。
義理でもパフォマンスでもなく、まるで大きな家族を見るようです。
父が愛した地域、確かにこの目で確認しました。