テーマ1 ママの医療

【第8回】母の死生観

このドラマ見てみたら

そういえば、母は、自分がメラノーマだと知る随分前から、生きることの意味を考えていました。
私にこのドラマ参考になると、わざわざビデオを撮って見せてくれました。

2023年度NHK【土曜ドラマ】お別れホスピタル
高齢化が進行し、癌が国民病と化した現在の日本。
7割以上の人が病院で最期を迎える。
そんな病院の中でも 、 末期がんなど重度の医療ケアが必要な人や、在宅の望めない人を受け入れる療養病棟。
そこはまさに医療のセーフティーネット。
その最前線に立つ看護師は、 意思表示の難しい患者さんのわずかな変化も見逃さず、 そこでの 日々が最善であるよう努める。
ただ 苦痛を取り除くだけでなく、その人らしい「 限りある生のかたち 」 を求めて日々奮闘する。
そして、訪れた最期から、その人なりに「生き切った命」を見届ける証人となる。
患者さんや、その家族、そして彼らと関わる医師や看護師の、葛藤や、怒りや、悲しみや、小さな喜びや、笑顔や、素顔の先にあるドラマを通して、「死を迎える」ことと、「生きる」ことの意味を問いかける。
それは、私たちの未来への一筋の光につながっていくはず。「お別れホスピタル」それは一死の一番そばにある病院で繰り広げられる、壮絶で、けれど愛にあふれた人間ドラマ。

この記事読んでね

随分、古い新聞記事もあります。
すべて、死生観、看取り、に関する切り抜きです。

*2020年4月22日読売新聞:ACP(人生会議)を考える〜延命か尊厳か日米で意識差
*2023年2月8日読売新聞:死と生を見つめて〜緩和ケア家で尊厳ある死〜
*2024年3月30日読売新聞:死と生を見つめて〜故人との「継続する絆」
*2024年3月28日読売新聞:死と生を見つめて〜葬儀で感じた「つながり」

これらのドラマや記事に共通することこそが、母の伝えたい事なのだろうと思います。

ターミナルケアって何?

ある日母がふと、ターミナルって何?と聞いてきました。
当然ですが、沢山の記事を読んでいる母です。
一般的なターミナルケアについては知っているはずです。
それでも質問してきた理由は、おそらく私が捉えるターミナルケアを知りたかったのだと思います。
それはまさに、母自身のターミナルケアを示唆するからです。

「ターミナルケアってね、ある一定の状態になると、もう病院に運ばないの」
「ほら、近所の〇〇さんの時も私が調整に入ったでしょう、今でも最期が迎えられて良かったって言ってくれてるよね」

「看取りの状態は、身体のあらゆる機能が自然に閉じようとしている段階なの」
「だから熱が出たからといって、以前のように病院へ搬送しないの」
「もう治す段階ではなく、苦しさやしんどさを取り除いてあげるの」
「病院に運ばれると、どうしても治すための関わりが必要になってくるでしょう」
「そこに新たな苦痛が伴っても治るなら意味があるけどね」
「そうではない段階に入っているのがターミナルケア、要するに在宅の先生、看護師さんや家族で看れる範囲で見守る段階」

「ママの場合は、ペインコントロールが出来る先生を見つけるよ」
「要は麻薬が使える先生で、それに慣れた先生だね」

「そんなこと自宅でできるの?」

「できるよ」
「自宅で孫が出入りしながらね、そんなイメージかな」

「苦しまない?」
「しんどいのは嫌、もう意識が無くなってもいいから、眠らせてくれる?」

「分かってるよ」
「私に任せておけばいいよ」

母の表情が、何となくホっとしたように見えたのは、気のせいでしょうか。

【続き 第9回 オプシーボ投与1回目】