テーマ1 ママの医療

【第5回】時間の密度が濃厚

PET検査

今回のPET検査の目的は、治療の前にがんの広がりを調べるためです。
静脈からFDG(放射線フッ素を付加したブドウ糖)を注射します。
がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を画像にします。
撮影画像では、がんのあるところが光ってみえるのです。

過去にも受けたことがある母は、当時は終わってから身体が痒くなった記憶があり消極的でしたが、今回は何事もなく終了しました。
後は10日の診察日に詳しい結果が知らされます。

迫る心の期限

結果までの1週間、母は、急ぎ過ぎるほどの予定を入れ、あちこちと出かけ始めました。
母なりの理由は、10日の診察日以降は、治療が始まると、身体がしんどくなり、動けなくなるかもしれないと捉えたようです。

*友達との会食
*旧友へ会いに地元鳥取へ1泊2日の一人旅
*旧友へ会いに名古屋へ日帰り  など

特に離れている方々へは、病気であることを伝え、これで会うのが最後になることを伝えたいと思ったそうです。
人生の岐路に立たされた時、期限が迫っていると自覚した時、伝えきれなかった気持ちや感謝が沸き出てきたのだと思います。
やり残した仕事に気づいたように、未完了の体験を自分で完了させようと行動し始めたのです。

時間の密度

私と母の時を刻むスピードの速度が違ってきたと感じました。
今までは、私たちのスケジュールに合わせてくれていたのだと気づかされます。

「動ける内にやりたいことをやる」
母にとっては、これが強い動機付けになっています。
感情や記憶が微細に働くようです。
要するに、当たり前の日常や出来事に感謝するようになるなど。

そんな母を見て、私自身が気づかされます。
私は、このままの日常を送っていいのかと。
とても大きな贈り物をもらえそうで、まだもらえ切れてない自分がいます。