テーマ1 ママの医療
【第12回】ドクターマジックは非合理的
結果は問題なし
初回のオプシーボ投与から1週間、本日は経過観察のための通院でした。
「血液検査は異常ありません」
「この1週間気になったことはありますか?」
気になったことといえば、おとといから腰がだるいと言い出したことです。
昨日は友達と散策に出かけ、帰宅後に腰の激痛を訴えます(何かをするタイミングで)。
なるほどと、先生が触診で背部を診察されます。
「これは副作用と直接関係するものではないようです」
「血液検査の結果、筋肉が融解するようなデータも出ていません」
「次回同じタイミングで同じことがおこるか、症状の再現性を見てみましょう」
「大丈夫ですよ」
先生から次回のオプシーボ投与の許可がでました。
その後、しばらく待合室で待っていました。
ドクターマジック
「井上さん〜」
先生が直接呼びに来てくださいました。
母いわく、ゆっくりと私の話を聞いてくれる、わざわざ待合室まで足を運んでくれると。
私たちには、医師は忙しい、医師とはこういうものという先入観があります。
そのため、それを良い意味で裏切ってくださる行動がとても印象に残ります。
何もかも副作用に繋げがちな母の気持ちを整えてくださる存在です。
「私たちドクターマジックにかかったね」
3人で大きく頷くのです。
私たちは合理的
「2回目のオプシーボの投与は、ママ一人で行けるよね?」
次回私たちは、付き添うつもりがないからです。
理由は、母が一人で行けそうだからです。
気持ちも落ち着き、病院に通うことも、母にとっての日常になりつつあったからです。
少なくても次回の投与については、今以上の不安が生じる場面が無いだろうと判断したのです。
何もかも一緒である必要はありません。
しかし、ここぞという肝心な時には、必要なサポートを惜しみません。
関与度合いに緩急をつけて、細く長く歩んでいこうと思います。