リーダーシップとは
家族からの要望やクレームを受けて、ミーティングを行う事になりました。特にA様の家族は普段から、食事形態やリハビリについての要望がクレームに変わる事が多く少し手を焼いているところがあります。
食事形態については、看護師や栄養士と相談し家族の意向も取り入れながら検討し、リハビリは、A様の状態に合わせてトイレまでの手引き歩行を導入したり、座って頂いている時間にできる手作業を取り入れています。
×:偏ったリーダーシップ
リーダーは、いつもA様の家族に対応しているため、自分の意見を一方的に他職員に伝える癖があります。高圧的なタイプではありませんが、自らの意見を発信し続けるため、他職員が発言するタイミングがなく、意見のある職員からは不満の声が挙がっています。
結局、ミーティングで決まった対応策のほとんどはリーダー自身が提案した内容となってしまいました。職員は「リーダーが勝手に決めたこと」と納得感がいかずなかなか実施されない状態で、家族からのクレームは助長されるばかりです。
○:バランスのとれたリーダーシップ
リーダーは、前回のミーティングに同席していた管理者から2点のアドバイスを受けました。
①意見を持っている職員に発言する機会を与えないと不満がたまり考えない職員を作ってしまいます。
②職員が考えて行動に移そうとしたことは、すぐに実施していかないとモチベーションが下がってしまいます。
リーダーは、このアドバイスを意識して再度ミーティングを開催することにしました。
今回は、自分の意見を出しつつも、他職員からの意見を引き出すような質問をするなど、職員の意見に耳を傾ける事を意識しました。すると他職員からは、「具体的に家族に何を伝えたら納得してもらえるのだろうか」「記録の方法を変えた方が良いのではないか」「しばらくA様専用の記録用紙が必要ではないか」「必要であれば自分が作ります」など、色々な意見が出されました。
さっそくA様専用の記録用紙を作り、翌日から対応策の取り組みが始まりました。各職員はミーティングに出席できなかった人に書き方などを指導し、更に改善案も出すようになっていたのです。