認知症ケア

認知症の男性利用者A様が「病院へ行く」と言って騒がれています。職員の一人が、「何故、病院へ行きたいのですか?」と尋ねると、「先生と約束している!!」と言われるのです。職員が病院に電話し確認したところ「本日の診察の予定は入っていません」と言われました。

× : 先入観によるケア

職員が代わる代わる声をかけ、話しをそらそうと違う話題に持っていこうとするのですが、A様は一向に落ち着かない様子です。さらに、お茶とお菓子を出して気を紛らわそうとするのですが、状態は変わらず病院へ行きたいと訴え続けています。

○:適切なケア

職員が代わる代わる声をかけする中、ある職員が「どうしてこんなに病院に行きたがるのだろうか、ご本人に思い当たる原因があるのでは?」と他の職員に投げかけました。以前の勉強会で、繰り返しの発言や行動には意味があるので決めつけないよう教わった事を思い出したのです。
そこでその職員は、看護師や相談員にも確認してみることにしました。
すると看護師の1人が、診察と言えば2か月前に膝が痛く整形を受診した事を思い出し記録を確認すると、「痛みが続くようであれば○月○日再受診」と記載してあり、A様は再受診の日程を覚えていたのです。
早々看護師からA様に、膝が治ったので受診は無くなった旨を伝えると「なんだ、それなら先生もそう言ってくれんと」とすぐに落ち着かれたのです。