メンタルモデルを意識して

組織運営のポイント

メンタルモデルとは、対象者が心の中でどう捉えているかを表現したものです。

過去の経験を通じて形成されたそれぞれが持つ評価であり、

私達の物事の捉え方、判断、意思決定などの尺度となります。

現場では時々、メンタルモデルによって意見の相違が起こります。

 

職員は出来ないといい、管理者は出来ると返します。

なぜそう思うかを聞くと、

職員は急に休まれると現場が忙しくなるからといい、

管理者は計算上では職員は配置できているといいます。

判断尺度は、職員は感覚、管理者は理論ベースです。

メンタルモデルの違いとしては、

現場に身を置く職員としては、体感でどう捉えるかが重要な判断尺度です。

規定の職員数でも、入居者の介護レベルが高い場合や体調不良者が多い場合を

想起するのかもしれません。現実的には職員の能力も一定ではありません。

一方管理者は、さまざまなリスクを考慮しても可能だと捉えています。

 

結局この議論の趣旨、目的をどこに置くかです。

そもそものゴールを明確にして、お互い同じベクトルで議論を再考すると、

お互いが主張する問題点が冷静にくみ取れ、次なる対策を講じる事が出来ます。

当り前に思えていた事も「そうでもないかも」と新たな世界が広がるのです。

 

管理者として大切な点は、普段から職員との会話や会議等の場を通じて、

自分達のメンタルモデルを客観的に見れるよう意識的に習慣づける事です。

普段から組織の思考パターンに触れていると、

自分の考えと組織の考えの融合を導き出しやすくなります。

コンサルとしては、現場をラウンドし職員と会話する全ての機会を通じて、

この事を意識して発信するメッセージを選んでいます。