えっ! 獰猛な犬?

15:30のクライアントとのアポイントに合わせて事務所の近くを歩いていました。

ふと見ると、正面遠くから小鹿?のようなスレンダーで大きい犬が、大股で走ってくるではありませんか。
何かの目的に向かってまっしぐらって感じです。
なんだか楽しそうに飛び跳ねて見えるのは私だけでしょうか。

そんな彼(犬)に通り過ぎられた通行人が、一斉に振り返りのアクションをしたのは言うまでもありません。 
私もふと我に返り、「放し飼いで散歩なんて危ないな~」って思ってたら、どこまでも走っていくのです。
????
そう!彼は脱走犬だったのです。

そして無謀にも梅田近くの大通りを横断しようとします。
「え~~」と一瞬焦り道路に身を乗り出し様子を伺う事しかできない私。

案の定・・・「ブッブ~」のクラクションと同時に2台・3台と車が止まっていく始末。

彼も身の危険を感じたのか、元の歩道に戻り、今走ってきた道を大股で戻ってきます。
私は捕まえてあげないと死んじゃうと思い、思わずその場にかがんで「おいでおいで」をしていました。
そんな私をまったく無視して、目の前を「ビューン」と通りすぎた彼。
「仕方ないな~」と思っていたら、10メートル先でピタッと止まりクルリっと振り返ったのです。
そしてなんとそれは、歯をむき出しにしたとても恐そうに見えるドーベルマンだったのです。

そんな彼はすでに私に向かってまっしぐらにかけて来て・・・・・・。
目の前でまたピタッって止まってくれました。
思わず私も「よしよし」と首輪を掴み、彼のペースで歩き始めました。
私が普通に立って、首輪がつかめるくらいなので高さがあるのは容易に分かります。

さて、これからどうしようかと。
なんせ、この後のアポイントの時間は迫ってくるわ、彼のよだれがズボンを汚すわで・・・・

思わず声をかけてくださった通行人の方に警察へ電話をしてもらいました。
「ですから・・・でっかい犬がですね・・・・はい・・・すぐ来てください」
とそんな時・・・・・

「すみませ~~ん」と草履を履いて金色のパンチパーマのこれまたいかついお兄ちゃんが一生懸命に走ってくるのです。
「ありがとうございました」と私にペコリ。
 
「ひかれそうになったんですよ!犬に罪はありませんから頼みますよ!」と説教をしていた自分が一番恐かったりして。

それにしても臭いもまったくしない人懐っこいドーベルマン。
きっとさぞ可愛がられているんでしょうね。

そして彼の短い脱走旅行は幕を閉じることになったのです。