特別講義   看護大学にて

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本日は京都府立医科大学 医学部看護学科の4回生約90人を対象とした講義を行いました。

社会参加資源の種類と現状「認知症患者の事例」という課題と同時に、私自身の社会人になってからのプロセスについてもお話させて頂きました。

大学4回生という事は、看護師免許+助産師もしくは保健師免許の取得を間近に控えた方々です。

まずは、看護師もしくは助産師として病院勤務をスタートされる方、保健師として地域や企業で活躍される方、知識を活かしてさらに研究にいそしまれる方とさまざまでしょう。

どの道からスタートされるにしても、「来年の自分」について考えるだけでなく、「5年後10年後の自分」を想像していただける機会になればと思いながら講義させていただきました。

なぜなら今後、学習・経験・検証・定着は本人の意思に関係なく日々求められるようになるからです。

その時にどれだけ意識を持ち計画的に、学習カテゴリーを広げていくかが将来の自分のベースになります。

私がそれに気が付いたのも、ある方のアドバイスであったり、当時に巡りあった書籍であったと記憶しております。

その為、知識の提供だけでなく、考えるきっかけ作りの提供を意識した1時間半でした。

講義後、質問に来られた学生さんとお話していてかつての自分を思い出しました。

自分のやりたい事の整理と時期を考える事が先決で、絞ってしまう事はありませんよ。

次に自分にとって何が必要なのか・・・先を考える習慣があらゆる事を可能としてくれます。

PS:大学の講師は依頼を頂いた場合に伺ってます

成年後見人養成研修

本日成年後見人研修が全て終了いたしました。

成年後見制度とは、精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)により判断能力が十分でない方が、不利益を被らないように家庭裁判所に申し立てをして、その方を援助・保護・支援してくれる人を付けてもらう制度です。

今回学習した主な科目は、
①成年後見制度の解説
②成年後見活動のための精神医学
③権利擁護の視点から
④家庭裁判所の実務の理解
⑤家族法の基礎
⑥財産法の基礎
⑦財産管理のための知識
⑧身上監護のための知識
⑨民法の基礎
⑩各種事例・演習 などになります。

様々な角度からの講義を受け、法律の存在意義や成年後見制度の必要性を再検討する良い機会となりました。

中でも初日の講義において、ソーシャルワーカー(例:相談員)と成年後見人の違いについて再認識する機会がありました。

ソーシャルワーク専門職の定義は、人間の福祉(wel-being)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく。
ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。
人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。~抜粋~

上記の一例では、社会に存在する障壁、不平等および不公正に働きかけ、日常の個人的問題や社会的問題に対応します。

これはソーシャルワーカーが持っている知識と経験により、時に先を読みながら、ご本人にとってベストであろうと思われる事柄に向けてアプローチする役割となります。

一方成年後見人は、ご本人(成年被後見人)の代弁者であり、ご本人の思いに寄り添いながら、その方が望まれる生活を出来る限り可能としていく役割があります。

それは時に、常識的には無駄な場面であったり、一般的にはベストな状態でないにせよ、ご本人が望まれる状態を出来るだけ可能とする関わりが求められます。

二人称であるソーシャルワーカーと一人称的視点である成年後見人、どちらも現在の高齢化社会において重要な役割を担っています。Book_3